2012年01月25日

全商簿記検お疲れ様

挑戦された生徒の皆さんも、指導された先生方も
第73回全商簿記検定お疲れ様でした。

今回まったくNoタッチだったので寂しい思いをしていたところに、
受検した生徒から1級原価計算で面白い問題を質問されました。
その問題とは…
〔1〕のcです

等級別総合原価計算を採用している工場が掛売りした
1級製品の返品(製造原価63,000円分・販売価額にして90,000円)と
2級製品の値引き(60,000円)の仕訳を問う問題です。


さて、高校生が分かりやすいようにまとめることができるか!挑戦です!!

工場で8円で作った製品を10円で販売した場合。
売 掛 金10円   売  上10円
売上原価 8円   製  品 8円

利益はこの記録により、
売上10円−売上原価8円=利益2円で求めることができます。

上記商品が返品され、現金を返金された場合は
売  上10円   売 掛 金10円
製  品 8円   売上原価 8円
利益を計算すると
(売上10円−売上10円)−(売上原価8円−売上原価8円)=利益0円
になります。取引自体がなかったことになるわけですから当たり前です。

この仕訳を見ると、我々は売上に対して
必ず売上原価を記録する必要があると思ってしまいがちです。
さらに、3級の商業簿記で、
「売上の返品と値引きは売上の反対の仕分けをする!」
と覚えてしまっていると
上記商品を1円値引きしたという場合に混乱してしまいます。

仮に返品されたときの仕訳を値引きと同じように考え、
売  上 1円   売 掛 金 1円
製  品 1円   売上原価 1円
と仕訳してしまうと、利益は
(売上10円−売上1円)−(売上原価8円−売上原価1円)=利益2円
となってしまいます。利益は変わりません。

売上原価は、売った商品を作るためにかかった費用です。
いくら値引きしようが、
製品を作るためにかかった費用は全く変わりません。
今回販売された商品は8円で作られたのです。
本来10円で販売する商品を1円値引きして9円で販売したわけですから、
売上9円−売上原価8円=利益1円
となるはずです。
値引きしたから利益が減るのは当然です。

ですから正解は上段だけでいいわけです。
売  上 1円   売 掛 金 1円

下段の
製  品 1円   売上原価 1円
は、売上原価つまり商品の製造費用を変更してしまうことになります。
だから、いらないのです。


ちょっとややこしくなったので、誤解を恐れず別の視点から…

先ほどの間違った仕訳を考えてみましょう。
売  上 1円   売 掛 金 1円
製  品 1円   売上原価 1円
上の段は商業簿記の仕訳、
下の段は工業簿記の仕訳です

商業簿記では、返品と値引き時は反対仕訳をします。
ところが値引きのときは工業簿記の仕訳は行いません。
工場は何も動いていないからです。
値引きの窓口は営業マン、
つまり商業簿記だけの問題だからです。

検定問題を見てみると
1級製品の返品と2級製品の値引き
になっていますからややこしいですが。

別々に考えると1級製品は工場に製品が返ってくるので
商業簿記と工業簿記の売上時の反対の仕訳を行います
売  上 90,000 売 掛 金 90,000
1級製品 63,000 売上原価 63,000

次に、2級製品は値引きだけなので
商業簿記の売上時の反対仕訳のみを行います。
売  上 60,000 売 掛 金 60,000

これを合わせると
売  上 150,000 売 掛 金 150,000
1級製品  63,000 売上原価  63,000

という正解が導かれます。


長くなってしまった。
posted by mittake.com at 20:09| Comment(0) | 商業
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